冬枯れの街 [街]
この冬、まったくと言っていいほど雪が降らない。
冬枯れた街はあまりにも殺風景で、街全体が澱んで見える。
南湖に張った氷の上には雪のかわりに埃が積り、
そこに冬の日差しが反射すると廃墟の割れた窓ガラスのような鈍い色を放つ。
人通りの途絶えた夜の街を歩くのが習慣になった。
歩き続けてさえいれば凍てつく空気もまた心地よい。
この頃はバッハのパルティータとベートーヴェンの晩年のピアノソナタばかり聴いている。
パルティータは2番と6番、ソナタは30番と31番、そして32番。
演奏はグレン・グールドで。
いずれも冬に似合う曲だと思う。
長春・新疆街
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