線路 [自言自語]
D800, AF Micro-Nikkor 200/4D IF-ED
昨夜から降り続いた雨が止み
雲の間から西日が顔を覗かせた午後
長距離列車の走る線路だけが
鈍い輝きを取り戻す
行く先を告げることもなく
どこまでも続く線路
湿原に迷い込んだ河の如く
曲がりくねった線路
昨日を振り返ることもなく
明日を夢見ることもなく
今日を生きるだけのボク
どこかに置き忘れてきた夢
かつてのボクと同じように輝いているキミと
その姿に目を細めながら立ち尽くしているボク
何を選べばいいのか迷うキミと
何を捨てればいいのか迷うボク
沈みゆく夕陽に伸びてゆく人影
その影はやがて夜の闇に紛れるだろう
いつ来るとも知れない列車を待ちながらボクは歳を取る
やがてキミを乗せた列車が減速することなく通過する
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