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馬上到過年了! [街]

来る2月3日は春節(Chun Jie)です。

中国の「春節」(春节)とは農暦の正月のことです。

以前、フィリッピン工場に赴任していた時はクリスマスが一年の一大イベントでしたが、中国では春節が一年で最大のイベントで、皆それぞれ自分の実家に帰省するためのフルーツバスケット状態=民族大移動の時期でもあり、飛行機や列車やバスなどの交通機関は満員御礼となります。

ちなみに日本の正月、つまり1月1日の元旦は「元旦節」と呼ばれていますが、中国では特に何もありません。

ところで、中国語の「過年」(Guo Nian)とは日本語で言うところの「年越し」のことで、「馬上」(Ma Shang)とは「すぐに」とか「ただちに」という意味です。

その昔、急ぐ時には馬に乗って駈けつけたからなんでしょうかねぇ……。

というわけで、「馬上到過年了!」は「もうすぐ年越しだ!」ということになります。

 

ところで、日本で「年越し」と言えば大晦日の晩ですが、中国の大晦日は「除夕」(Chu Xi)と言い、では「過年」とはいつからいつまでなのかというと、それは春節の一週間前(農暦12月23日)の「祭灶」(Ji Zao)から春節の二週間後(農暦1月15日)の「元宵节」(Yuan Xiao Jie)までを言うそうです。

そして祭灶の晩から数日間は街角で以下のような光景を見掛けるようになります。

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最初はゴミでも燃やしているのかな?と思ったのですが、街の彼方此方で見かけるので単にゴミを燃やしているわけではないようです。そこで、仕事帰りに乗った的士(タクシー)の师傅(運転手)に訊いてみました。

「他们到底干什么呢?」(あの人たち、いったい何してるの?)

「那是祭灶。马上到过年吧,所以。」(あれは祭灶さ。もうじき正月だろ、だからさ。)

「祭灶是什么?」(祭灶って何?)

この後、運転手の言ったことがよくわからなかったのですが、後で調べてみると、本来は「かまどの神を祭る行事」だそうで、日本のお盆に似て、过年の時期に御先祖様を呼んで一緒に春节を迎えるための迎え火とのこと。春節は家族全員揃って過ごすのが原則ですが、御先祖様まで呼ぶんですね。

 

また、この時期になると古くから「厄除け」(というより単に景気づけじゃないか?)として使われてきた花火や爆竹が街中の彼方此方で一斉に売り出されます。中には総火薬含有量が3kg~5kgという大型連続打ち上げ花火も売っていて、一歩間違うと家一軒くらいなら吹っ飛んでしまいそうな破壊力を持った花火も売っています。日本なら門松や鏡餅が売り出されるところですが、そこは異文化ということで。

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紅白歌合戦を見て、除夜の鐘を聞いて、初詣に行くのが定番で、どちらかと言うと静かに厳かに正月を迎える日本人にとって大晦日の晩に花火や爆竹が鳴り響く……というはどうも違和感があるのではないでしょうか? まして春節の数日前から夜な夜な「ドンド~ン!」「バババババッ!」と断続的に花火や爆竹が鳴り響くのを聞いていると、どこかでクーデターか内戦でも始まったのではないか?と不安になってきます。そもそも近所迷惑じゃないか!と思う一方で、氷点下20℃前後の夜半過ぎに花火や爆竹を楽しんでいる(!?)人たちは何て元気なんでしょう!とも思います。

それにしても花火というのは夏の風物詩というイメージが強いので、厳寒の街で花火というのはどうも似合わないなぁ……そういえば渡辺淳一の小説に『冬の花火』というのがありますが、それとは関係ないか……ああ、またどこかで始まったよ、夜中だというのに喧しいなぁ……。

かくして長春の夜は更けてゆくのであります。

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 ふい~っ、今夜も寒いです。


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お知らせ [街]

今日午後の飛行機で一時帰国します。

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P.S.

今、日中友好の一環として日本領事館と長春市政府の共催で写真展を企画しています。

時期は来年2月。場所は長春市図書館の予定です。

詳細が決まり次第、改めてお知らせします。


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