地球が滅亡するかもしれない!?と思った日 [長春情報]
時は20011年1月8日。
入手して間もないR-D1を持って南湖公園をブラつきながら凍った湖面に設けられた天然のスケート場でスナップを撮っていたところ、管理人のおじさんに声を掛けられた。
「喂,喂,老弟!你的相机能不能拍到那个吗?」
(よぉ、よぉ、兄ちゃん! アンタのカメラであれ撮れっか?)
「大叔,怎么了?你要拍什么呢?」
(おじさん、どうしたん? 何を撮りたいの?)
「你看! 今天的太阳有好几个! 我从来没见过那样的太阳啊!」
(見てみぃ!今日の太陽何個もある!ワシャ今まであんな太陽は見たことがないぞ!)
「哎呀~~~!到底怎么回事啊~~~~~~!!!」
(え~~~~! いったいどういうこっちゃ~~~~!)
「我的手机拍不到。」你的相机行不行啊?
(ワシのケイタイじゃ撮れんのじゃ。アンタのカメラじゃダメか?)
「应该可以吧。 我试试看看。」
(たぶんイケルっしょ。試してみるよ。)
「还有啊,太阳的周边有好几个光环!」
(それからよ、太陽の周りにいくつも光輪があるじゃろ!)
「哎呀!好奇怪啊!」
(あいや~! とっても不思議だぞ~っ!)
「太奇怪吧! 或许我们的地球就完了吗?」
(すごく不思議じゃろ! もしかしてワシらの地球はお仕舞なんじゃろうか?)
「不会吧!可是有可能……吧。」
(まさか~っ! でも有り得る……かも。)
念のため、これは逆光で撮影した時に発生するフレアやゴーストの類ではありません。
では、これはいったどういう現象なんでしょうか?
画角の都合で空全体の様子を写すことができなかったのですが、肉眼では太陽を中心に左右と上にそれぞれ太陽の虚像が見えます。
そして太陽を囲むような光の輪とその上に接して8の字を描くように複数の光の輪。
さらに太陽と太陽の左右にある太陽の虚像を結びながら水平方向に地上をグルッと囲むような光の輪が見えました。
この日は地上からそう高くない空に薄っすらと靄が掛かっていて、そこに太陽の光が反射してこのような現象が現われているように思ったのですが、実際のところはよくわかりません。
誰か、このような怪奇現象に詳しい方がいらっしゃいましたら教えてください。拜托了!
惜しまれるのは超広角レンズを持ち歩いていなかったこと。
いや、これを撮ったのは一応超広角に相当するColor-Skopar 21mm F4だったのですが、R-D1のCCDはAPSサイズなので実写画角は普通の広角32mm相当になってしまいます。
ん~、残念無念!
こういう時のためにUltra Wide-Heliar 12mm F5.6を買っておけばよかった!(爆)
※ それよりパノラマっぽく撮れよ!というツッコミはしないでくださいね。
また、スナップの御供=M2だったら21mmそのままの画角で撮れたんですが、こういう時に限ってM2は「お留守番」だったりします。(泣)
※ ここでM9を買っておくべきだったとは思わないところが肝心
そして部屋には昨年12月に仕入れたばかりの秘密兵器=Exakta66用対角魚眼レンズZodiak 30mm F3.5(ウクライナ製)が転がっている。
ん~、この空をプラネタリウムのように撮りたかった!
しかし、こういう時に限って持ち歩いていない……
やはり日頃の精進が足りないのです!(号泣)
そんなわけで、「後悔、後を絶たず。」
そして、「逃がした魚は大きかった……。」
「地球が滅亡するかもしれない!?」と思った日から数えて三週間。今日も平平凡凡とした日々が続いています。あの日の怪奇現象とは何だったのだらうか?何かの予兆ではなかったのか?
願わくば我々の地球は「天長地久」で永遠に不滅であってほしいものだが、一方で『地球滅亡の日』というまるでSF映画のような出来事をこの眼で見てみたいような気がした。
※ Zodiak(ゾディアック)という名はスパイのコードネームみたいですが、実は天文学で言うところの「黄道帯」(獣帯)、占星術で言うところの「横道12宮」のことらしい。まさに天体写真に相応しいレンズですね。
冻死了! [長春情報]
先週はただでさえ寝不足だったのに日曜日は山寨亭で夜更けまでお酒を飲んでいました。おかげさまで昨夜はシャワーも浴びずに眠りこけてしまいました(おいおい)
幸い、目覚まし時計はセットしておいたようなので、今朝は無事に目が覚めました。
コーヒーを入れている間に歯を磨き、ふと鏡を見ると髪の毛が鳥の巣のようにボサボサだったので、シャワーを浴びて「朝シャン」(死語)をしました。
洗いざらしの髪から水を滴らせながらコーヒーを飲み、一服していると早くも7時15分。
さて、お迎えが来るので急いで支度をして部屋を出ました。
外へ出るなり「うっ!」 今朝は一段と冷え込んでいます、
冷たいなんてもんじゃない。顔が痛い。
Filtertec のマウンテン・ジャケットのファスナーに付けてあるSuunto の温度計を見ると、-25℃のあたりを示しています。これはこの冬一番の寒さです。
そして気がつくと、さっきまで濡れていた髪がバリバリに凍っていました(@_@;)
会社に到着して自分の办公室(事務所)に入ると部屋が冷蔵庫のようにキンキンに冷えてます。
確認したところ、昨夜の10頃からスチーム暖房用の温水の供給が止まっているらしい。
こんな日に限って何故?
あいや~、我凍死了!!!!
写真展のお知らせ [長春情報]
予告どおり、長春市政府外事事務局と瀋陽の日本領事館の共催で写真展を開催いたします。
皆さま、御用と御急ぎでない方はぜひおいでください。
先のご案内は中国語版のポスターなので、念のため、日本語でもご案内いたします。
《長春・四季の風景》 田原洋之写真展
―日本人駐在員の目で捉えた長春の街と自然―
場所: 長春市図書館 (中国吉林省長春市朝陽区同志街1956号)
期間: 2010年12月26日(日)~2011年1月7日(金) ※元旦節(12月31日~1月3日)も無休
開幕式: 2010年12月26日 午後1:00
共催: 長春市人民政府外事事務局 在瀋陽日本国総領事館
後援: 吉林省人民政府対外友好協会 長春日本商工会 普安山寨旅行休暇村 長春市図書館
長春トキナー光学儀器有限公司 上海ケンコー貿商有限公司
協力: 新世界郎鳴撮影
《長春・四季の風景》について
赴任して三年目。長春の四季はとても明確で、風景は季節ごとに様々な表情を見せてくれます。 しかし同じ土地に長く住んでいると風景に対する興味は次第に薄れ、多少の変化があったとしても 気づかなくなります。それは人間関係や仕事にもありがちなことで、日常化や習慣化によって本来は見えるはずのものが見えなくなってしまうのです。
そこで思いついたのは見慣れた街の見知らぬ風景を探すこと。それは風景との新たな出合いと言ってもよいかもしれません。
窓からの眺め、通いなれた道、行きつけの場所……春夏秋冬あるいは夜明け前や黄昏時にカメラを持って歩くとそこには意外な発見があります。その一つ一つを集めたのがこの写真展です。
展示される写真には敢えて標題はつけず、その代わりに撮影地だけを記しておきます。どれも長春とその近郊で撮影したものばかりなので長春に住んでいる人なら知る人も多いことでしょう。また長春を知らない人でも「ここはどこかで見たような……」と思うかもしれません。
そんなありふれた風景ですが、そこから様々なイメージを膨らませて楽しんでいただければ幸いです。
P.S.
実は私=ひろネコが写真展を開くのは今回が初めてです。しかも、いきなり中国デビュ~!?
かなりドキドキしています。(@_@;)
霧氷 [長春情報]
17日、日の出の時刻とともに市内は濃い霧に包まれました。気温は氷点下5℃。
しばらくすると霧は霧氷となり、冬枯れした樹の枝に白い花を咲かせはじめました。
おやおや、蜘蛛の糸にまで……。
太陽が昇り気温が上がりはじめると、満開の霧氷も「あっ」という間に消えてしまいます。
日本語の「霧氷」や「樹氷」は中国語で「雾凇」(Wu Song)または「树挂」(Shu Gua)と言います。
吉林省では吉林市内の松花江(Song Hua Jiang)流域で多く発生しますが、その中でも市内から40kmほど北に位置する「雾凇岛」(Wu Song Dao)の霧氷は見事です。
雪のち晴れ [長春情報]
7日の晩からこの冬二度目の雪となり、翌朝には5cmくらい積りました。
ご覧のとおりクルマはバリバリ。道路はツンルツルン。でも、これはホンの序の口。
あちこちであんなコトやこんなコトに。
スタッドレス・タイヤに履き替えるわけでもなく、チェーンも付けず……これで事故が起こらないほうが不思議なんですが、皆さん平気で走っています。
低く垂れ込めた灰色の空。重苦しい一日。
「听其自然」 (Ting Qi Zi Ran)……絶対的な力を持つ大自然の前では私たちはまさに「成り行きに任せる」しかないのです。
この時期の日の出は6時25分ごろ。日の入りは16時20分ごろ。
翌朝は晴れ。放射冷却現象のおかげで氷点下9℃。この冬一番の寒さです。
夏の力強い陽射しとは比べようもないが、それでもやはり眩しい。
これはオマケ。
吉林省東部、北朝鮮との国境付近の延吉(Yan Ji)から送られてきた松茸。 中国語では「松蕈」(Song Xun)とか「松蘑」(Song Mo)と呼ばれています。
「おお~っ!」と思わず唸るくらい立派です。 お味は……食べてからのお楽しみ。
冬入り宣言 [長春情報]
気がつけば今年の秋は例年以上に呆気なく終わっていたようで、中国気象局からは10月16日付で『冬入り宣言』が出されていました。今朝の最低気温は氷点下3℃、日中の予想最高気温は12℃。居住区内の池には厚さ2cmほどの氷が張っています。
「明日こそ早起きして紅葉を撮りに行くぞ!」と寝る前に気合いを入れるも空しく毎度のごとく朝寝坊。おかげさまで今年の紅葉は限りなく「ゼロ」に等しい収穫のまま冬の到来です\( ̄へ ̄;)/天啊!
仕事が忙しくてクタクタだし、天気は良くなかったし、紅葉は色がイマイチだったし……表向きは自分を納得させていていますが、本当のところは「後悔 後を絶たず」です。自責の念がノドに刺さった小骨のようにチクチクしている今日この頃、本業はレンズを磨くことなので趣味の写真にウツツを抜かしてばかりもいられないのですが、やはり写真を撮れないとフラストレーションが蓄積されてイライラするので明日こそ早起きしてあんなことやこんなこと……。
このよう戯言を『撮らぬひろネコの皮算用』と呼ぶらしい。
ところで、毎年10月中旬は部屋の中が一番寒く感じる時期。何故か?それは先日も書いたように長春の暖房は地区ごとに供給されるスチームがメインで、供給が始まるのは毎年決まって10月25日。つまりそれまでは部屋の中が5℃~10℃と冷蔵庫並みの温度なのです。さすがに氷点下にまでは達しませんが、それなりに着込まないと室内でも「ガクガクブルブル」状態。とはいえこの時期さえ無事に過ごせれば、後はヌクヌク&マッタリとした生活が待っています。
そして『冬入り宣言』の日から数えて3日後の19日、ついに街の煙突から煙が上がりました。
おっ!あれは……
どんよりとした冬空に長春名物(!?)の煙突。煙が出ているということは、試運転を始めた証拠。
燃料は郊外で採れる石炭とのことですが、真偽のほどは未確認。そういえば、空港の近くに石炭の採掘場がありました。石炭なんて時代遅れと思うでしょうが、これはこれで風情があって良いのです。
そうだ、この冬は「長春・煙突の街」を企画しよう!(妄想)
さて、冬と言えば『鍋』。そして長春の鍋料理と言えば……
これは韓国式(!?)の「火鍋」(Huo Guo)。場所は隆礼路胡同(※1)の「得享」(De Xiang)という店。牛肉(Niu Rou)、羊肉(Yang Rou)、豚肉(Zhu Rou)……そして季節の野菜など、好きな食材を取って自分の鍋に入れて「しゃぶしゃぶ」します。最後に面(※2)を入れて煮込みうどんにするもヨシ。白飯を入れて雑炊にするもヨシ。とにかく、美味です。
※1 中国語の「胡同」(Hu Tong)は日本語の「路地」とか「横町」の意味。ここでは「隆礼路」(long Li Lu)に並行する細い路地に付けられた名称なので「隆礼横町」と呼ぶことにしましょう。
※2 中国語の「面」(Mian)、あるいは「面条」(Mian Tiao)は日本語の「麺」です。
週末は雨の予報……もしかしたら雪になるかもしれません。
瓢虫来了! [長春情報]
これは長春における毎年恒例・秋の風物詩の一つです。
「何これ?」とお思いでしょうね。
実は公司(会社)の玄関からガラス越しに外を撮りました(それにしても画面の歪曲がスゴイ!)
えっ、ガラスかCCDにゴミが付いてるんじゃないかって?
いやいや、そうではなく、こうして角度を変えるとわかると思いますが……
そうなんです。
皆さまもよくご存知の「てんとう虫」=「瓢虫」(Piao Chong)でございます。
さっきの写真を拡大すると……
と、このようにビシバシとガラスにへばり付いているわけです。
毎年国慶節の頃はトウモロコシの刈り入れの時期。そして畑のトウモロコシが刈られてしまうとそこに住んでいたてんとう虫たちは住処を失って放浪の旅に出るのです。
そして日当たりの良い場所にこうしてドヤドヤと集まってくるのです。
天候不順のせいか例年より少ないようですが、多い年は窓にビッシリと付くのでそれはそれはヒッチコックの「鳥」みたいに異様な雰囲気です。
そして窓を開けていようものなら室内に遠慮なく入ってきて、部屋中を「ブ~ン」と飛び回ったり蛍光灯の周りで集会を始めたりして大変なことになります。
外に出ると体中に纏わりつくだけでなく、知らずにいるとそのまま部屋につれて帰ってしまうこともあります。時には襟や袖口から侵入してきてお腹や背中がムズムズしたり噛み付かれて「イテテテテッ」ということになります。
こんなことが数日間続き、ある日ふと「あれ、てんとう虫がいなくなったな?」と思うと、急に冷え込んできて秋はもうじき終わりです。
今週あたりには気温がグッと下がって氷点下になるかもしれません。
そして月末には初雪が降るかもしれません。
皆さん、多保重身体! そして風邪を引かないように。